中古ということは前の所有者がいるということ。前の所有者は何故売却するに至ったのか。結婚・転勤・広い家に住替えなどさまざまな理由がありますが、中には近隣トラブルや物件の欠陥などが理由の場合も。売却理由は必ずチェックしましょう。

事故物件

これはなかなかないでしょうと思われるかもしれませんが、意外とあります。自殺や殺人、火事などは資料などに告知されているケースがほとんどですので、あまり気にされることはないでしょう。宅地建物取引業法では『購入の意思を左右するような重要な事項』は告知をすることが義務付けられています。すごく曖昧ですし、人によっても感じ方が違います。病死でもそこで亡くなられたら気になるという方もいらっしゃるでしょう。まだお住まい中なら良いのですが、空家の物件などは売却理由など前所有者がその家を手放した経緯をできる限り不動産会社に確認するのが良いでしょう。

近隣トラブル

これもたまにニュースになったりしていますよね。ニュースにならないまでも、小さな近隣トラブルは良く耳にします。中古一戸建ての場合に多いのは、植栽などの隣地への越境や落ち葉の問題などです。特に年配の方は土地の境界に対する執着がある方が多く、境界はトラブルの元です。まずは前所有者の方に近隣トラブルの有無を聞きましょう。そして建物を外から見て何か違和感があるところがないかじっくり見て回りましょう。所有者の方の了解を得ることができれば、近所の方と実際にお話ししてみるのも良いでしょう。
目に見えない部分では水道やガスなどの配管関係が越境している場合です。これは目視では確認できませんので、水道局などに備え付けられている台帳を確認する必要があります。ただこの配管図も位置を保証するものではありませんので、参考程度に見るようにしましょう。

任意売却物件

任意売却物件とは前所有者の住宅ローンが滞り、売出している金額で売却できたとしても住宅ローンがが完済できないため、不動産の抵当権を抹消するのに金融機関など債権者の同意が必要な物件の事をいいます。よくわかりませんね。要はその物件は売主さんにこの金額で売りますと言ってもらっても、後から債権者(銀行など)にダメと言われたら買えない物件ということです。任意売却物件で気を付けることは、購入予定が狂うかもしれないこと、任意売却に不慣れな不動産会社を選ばないこと、この2点を抑えておけばそんなに怖い取引ではありません。

この3つとも前所有者に関わることです。中古一戸建ては必ず前所有者がいます。それはメリットでもあり、デメリットでもあります。住み心地や家の使い勝手など聞けるメリットと、トラブルがあるかもしれないデメリットです。私は両方含めて中古一戸建てをオススメしています。ここではリスクを書きましたが、ほとんどの中古一戸建ては前所有者に愛され、その愛情を受けているから味がでるのです。